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【ユーザー同士のミニ情報共有会レポート#08】ジェンダーフリーな防災への取り組み~災害時における女性が抱える不安要素の軽減を考える~







こんにちは!デジサス編集部インターン生の小林です。

本日は3月27日に行われたミニ情報共有会について記事を公開いたします。 皆様に読んでいただけると幸いです。


ミニ情報共有会とは


ミニ情報共有会では、危機管理に関するテーマを決めて参加企業様同士で情報共有やディスカッションを実施します。興味があるテーマの回だけ参加いただくことが可能で、1回の開催あたり約2時間、月1回程度のペースで開催しています。

テーマの例)防災教育について話し合いたい、地震以外の災害対策について相談したい等 これまでに7回のミニ情報共有会を開催しました。

これまでのミニ情報共有会に関しての詳細レポートは下記リンクからご覧いただけます。


今回のミニ情報共有会のテーマ

 今回開催した第8回のミニ情報共有会のテーマは、

 「ジェンダーフリーな防災への取り組み~女性の防災や防災グッズについて~」と「2023年度危機管理ユーザー情報共有会まとめ会」の2部を前後半に分かれて実施しました。


 「ジェンダーフリーな防災への取り組み~女性の防災や防災グッズについて~」は下記のプログラムにて 開催しました。


・女性視点における災害対策における現状と課題

 東北出身のメンバーと防災士資格を持つメンバーの視点での考察

・企業における防災対策の現状

 コニカミノルタ株式会社様によるゲストトーク

・女性用防災グッズと能登地震以降の防災グッズ売れ筋について





きっかけ


今回のセミナーを開催した理由に、先日発生した能登半島地震が挙げられます。SNSの発達により、これまでよりもリアルタイムで現地の声を拾い上げることができたのですが、その中で女性の視点が欠けることで生じる避難生活の問題に関するニュースやネット記事が多数散見されました。一部を紹介しますと、


 ・生理用品やおむつなどの備えがされていない

 ・避難所の炊事が女性に偏る

 ・着替える場所がないから布団の中で着替えた


また、被災地や避難所で発生する犯罪、特に女性や小児を対象とした性犯罪への注意喚起なども見られました。


東京新聞の記事によると、現状、全国の自治体の半分以上で防災担当に女性がいないことが報告されており、「女性目線」の偏りや抜け落ちがなどの問題が生じております。


災害対策本部に女性がいないがために、

・使い捨ての下着や生理用品への配慮

・性暴力の対策

・授乳室の配置

などの対策が欠けてしまうなどの、女性が声を上げて意思決定することができないという課題があります。


一方で、災害対策本部に女性職員が10%以上所属している自治体では、他と比べて

・生理用品

・紙おむつや乳児用ミルク

・宗教に配慮した食べ物


等の備蓄が進んでいる傾向にあることがわかりました。


今回挙げられているのは、あくまで地方自治体の話ではありますが、企業でも同じような課題があるのではないかと考え、セミナーを開催するに至りました。







コニカミノルタ様のゲストトーク


「コニカミノルタにおける女性視点の防災の取り組み

     ~災害時における女性が抱える不安要素の軽減~」

 というテーマでお話していただきました。


コニカミノルタ様は、東京都主催の防災ウーマンセミナーに参加した際に、過去の大規模地震でメディアに取り上げられない女性の困りごとの実態が数多くあり、女性視点の防災の取り組みができてなく、世間とのギャップを痛感したそうです。


そこで、社内の女性従業員に

1.精神面(家族と連絡が取れない、子供の迎えなど)

2.備蓄面(女性用品やスマホの充電など)

3.環境面(社内宿泊、トイレなど)

4.肉体面(徒歩帰宅になったら…など)


の4つの項目でアンケートを実施したそうです。その結果を受けてコニカミノルタ様では

個人で備えておくことと企業が対応することのそれぞれで対策を行ったそうです。


個人で備えてほしいことは女性のみならず男性従業員も含めて全員に情報を発信し、家族間での備えなどを促したそうです。


企業の備えとして、備蓄面では  ・ 被災地本部要員に女性を配置し、生理用品の受け渡し含め、女性ならではの視点を活かすこと

 ・ 生理用品を紙袋に入れて渡すこと

 ・ 生理⽤品の置き場所を決め、いつでも取りに⾏ける環境を整えること


などを取り組んでいらっしゃるようです。


また、環境面に関して

仮設トイレの設置箇所については、

男性用と距離を取りつつ、本部設置箇所から離れすぎていない場所に設置したり、

休息場所の考慮については、男性と一晩同じ部屋で過ごすことに抵抗感があるなどの回答より、女性専用の寝る場所を設置するなどの対応を行っているそうです。


その他にも、障がい者雇用への配慮として、メンバーがパニックにならないように他の社員とスペースを分けたり、アレルギーやイスラム教徒社員へのハラル対応なども行っているとのことでした。


企業が全てを完璧に備えることはとても難しいですが、できる限りのことを個人と企業がそれぞれ備えていくことが重要だとおっしゃられていました。





コニカミノルタの林様、今回は貴重なご講演ありがとうございました。


また、今回講演してくださった林様に聞きたいこと等ございましたら、弊社インフォコムにご連絡いただけたら質問対応させていただきますのでお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせ先はこちら: emc-info@infocom.co.jp


参加者アンケートと防災グッズ紹介


参加している企業様に女性の防災について簡単なアンケートを実施いたしました。

その一部の結果をご紹介させていただきます。








86社もの参加企業様に回答していただきました。結果を見てみると自治体よりは女性の目線が防災に活かされているのかとは思いますがまだまだ課題もありそうな結果となりました。

また、弊社インフォコムが提供しています、女性用防災グッズ「レディースカプセル」は生理用品やメイク落とし等が1回使い切りの個包装で入っており、とても使用しやすく設計されています。女性向けの防災準備が簡単に行うことが可能です。



ご興味ございましたら、お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせ先はこちら: emc-info@infocom.co.jp


2023年度まとめ会


後半は、1年間活動をしてきた危機管理ユーザー情報共有会の振り返りを実施しました。

参加企業様同士でそれぞれグループに分かれて、

・情報共有会を自社にどう活かされたか

・能登半島地震で新たな気づきがあったか

・来年度の情報共有会に期待すること






結びに


女性の視点を防災の中にどう落とし込んでいくかを学ぶ大切な機会となったのではないかと思います。男性では気づきにくい、理解しにくいことがこれほどあるのかと自分自身、思い知らされました。女性の意見が通りにくい現状を受け、今回取り上げたこと以外にもまだまだ見つかっていない課題も多くありそうだと感じました。今後とも、ジェンダーフリーな視点で防災を行うことが大事なんだと気づく共有会になったのではないかと思います。


また、弊社が主催するオンライン情報共有会が開始してから3年が過ぎ、年を経るごとにより多くの企業様に参加していただいており、共有会の目的である

「つながる」・「共有」・「貢献」

が少しずつ紡がれてきたのかなと感じるところでございます。本当にありがとうございます。今後とも皆様にとっても弊社にとっても学びのある会にしていきますので、どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。


↓ミニ情報共有会に関するお問い合わせはこちら

▽お問い合わせ

インフォコム株式会社

サービスビジネス事業本部 デジタル・サステナビリティ事業部 ミニ情報共有会事務局

東京都港区赤坂9-7-2 ミッドタウン・イースト10階



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インフォコムでは、このような共有会を通して皆様と一緒に危機管理に関する考えやアイデアを共有することで「危機対応」のあり方を進化させ続け、危機に強い企業を作り、社会に貢献していきます。


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