こんにちは!デジサス編集部インターン生の佐藤です。
私は現在慶應義塾大学に通う2年生であり、大学では社会学を主に勉強しています。
大学の学業以外では、慶應福利厚生団体国際関係会I.I.R. P.A.L.projectでアカデミック班のリーダーを務め、今年の5月には留学生就活支援プロジェクトSfidaをゼロから立ち上げ代表として様々な活動をしております。
現在日本で、少子高齢化が進み働き手不足が深刻化しているなかで、今後海外からの人材が非常に重要になると予想されています。私は、留学生の国内就活問題に強い関心を持ち、留学生国内就活支援のプロジェクトを立ち上げました。
この記事では、その中でも海外から日本にきている留学生に焦点を当て、「働きがいも経済成長も」と「人や国の不平等をなくそう」というSDGsの目標と関連させながら、自身の経験も踏まえ日本の今後のあり方について書いていこうと思います。
日本の深刻な働き手不足
日本の働き手不測の問題は危機的状況にあります。
厚生労働省の『令和元年版労働経済の分析ー人手不足のしたでの「働き方」をめぐる課題について』で、全規模・全産業の推移をみると、人手不足感は趨勢的に高まっており、直近の2019年3月調査の値は1990年代初頭のバブル期に次ぐ水準の高さとなる中、特に、非製造業の中小企業において人手不足感が高いことが示唆されていると発表しています。
出典:
海外からの留学生の需要
現在、日本に来る海外からの留学生は増加しています。日本に来る留学生は勉強意欲が高く、優秀な人が多いです。労働力の需要と供給のバランスを考えると、外国人留学生に卒業後に日本で就職してもらうべきだと考えます。
実際に日本での就活に興味のある留学生は多く、私が留学生22人にとったアンケートでは、実に75%の人が日本での就活をするつもりであると答えています。また、文部科学省の『外国人留学生の就職促進について』でも、日本における就職を希望する外国人留学生は全体の約65%を占めると述べられています。
留学生の日本就活の大きな壁
日本で就職したいという意欲がある人が多いのにも関わらず、実際に就職する留学生の割合はとても少ないです。2019年に卒業した外国人留学生のうち日本国内で就職した学生は全体たったの36.9%であるというデータがあります。意欲のある学生のうちの半分ほどは日本での就活を断念して帰国しているという事です。
なぜこのような事態になっているのか。その理由としては、外国人留学生にとってビジネスマナーや日本語など就活の壁が多く、日本の就活の仕組みがわかりづらいことが挙げられます。また外国人留学生向けの求人が少ないことも挙げられます。
日本にとっても留学生にとっても、留学生の就活を支援することは需要と供給の面からとても意義のあることです。留学生と日本の企業のミスマッチをいかになくし、双方が気持ちよく働ける、そして雇える環境をつくるか。今のグローバル化が進む現代においても非常に肝要な問題です。
参考文献:
留学生国内就活支援プロジェクトSfidaの立ち上げ
私は、この問題に強い関心を持ち、2023年5月に留学生国内就活支援プロジェクトSfidaを立ち上げました。SNSでの留学生向け就活情報発信、留学生歓迎の企業とタイアップしたマッチングイベントの開催等の活動を行っています。
日本と海外のあたりまえの違い
実際に活動をはじめて留学生の生の声を聞き、痛感したことは、想像以上に日本での就活に興味を持ってくれていることと、その一方で文化的な違いなどから留学生にとって日本での就活が非常に難しいことです。
私たちのあたりまえと彼らのあたりまえが大きく異なっていることを日々痛感しています。
例えば、日本人は大学3年の春頃から就活の準備をはじめサマーインターンシップの準備などを行いますが、海外では大学を卒業してから就活をはじめる国もあり、日本は他国と比べ就活の開始時期が非常に早いことを知りました。また、私たち日本人の価値観では、何度も何度も転職をしたり就職してすぐ離職してしまう人は一般的に環境適用能力がない人や飽き性な人などネガティブにとらえられることが多いですが、他国では、むしろ転職していることで積極性があり仕事ができる人と捉えられるところもあります。
このように日本人のあたりまえと海外の人のあたりまえが大きく異なっていることがあり、そこを日本の企業側も留学生も双方が理解しあい、お互いの文化や価値観を受け入れあわないと、ミスマッチがおき双方ともにとって良くない状況になることを理解することができました。
最後に
今の日本は、企業は知識や経験不足により本来なら即戦力にでもなり得る優秀な海外からの人材を見逃しており、そして留学生たちは日本での就職に興味があっても様々な障壁により断念するという、双方にとって良くない負の状況になっています。
しかしながら、逆にその両者のニーズを汲み取り上手くマッチさせることが出来たら、留学生も日本も幸せになれる未来が実現できると確信しています。この状況を打破し改善していくことは、SDGs17の目標の8「働きがいも経済成長も」、10「人や国の不平等をなくそう」にも繋がります。そのような未来を作るため日本は尽力していく必要があるのではないかと思います。
インフォコムでは、企業のSDGsの取り組みを「見せる化」してその推進を支援するITサービス「Lookat.socialmeter」を提供しております。
lookat.socialmeterの詳細はこちら
インフォコムは、インターン佐藤さんのようにSDGsに繋がる活動を応援しています。
今後も様々な情報を発信していきますので、引き続きデジサス編集部をよろしくお願いいたします。